葬儀

葬式にまつわる意識の変化

葬式といえば、昔なら「縁起が悪い」というのが一般的なイメージでした。例えば子供の頃、宮型の霊柩車を見たら、その日は悪い事が起こるなどという言い伝えを聞いたことがあります。また香典返しの品物を包んでいる包み紙は、すぐに捨てて、取っておいてはいけないという常識もあります。その中でも、多くの人に知られ、長らく守られてきた習慣で代表的なものが、葬式に飾られた花は、持って帰ってはいけないという考え方ではないでしょうか。葬儀場に飾られた花を自宅に飾るなんて、それこそ縁起が悪いというのがその理由です。ところが数年前、私自身の母が亡くなった時、葬儀場の職員が、帰り際に参列者の全員に、飾られた花を分けて配っているのを見て、現代では昔の習慣が変わったのだと知りました。考えてみれば、故人を忍ぶ意味でも、葬儀に使用した花を皆で分けて持ち帰るのは、故人に対する敬意でもあり、決して縁起が悪いということだけで済ませてよいものではありません。お花を無駄にしないためにも、美しい花に故人への思いを託すのは、考えてみればよいことではないか、と私も考えを改めました。